私の好きなこと

10代の頃「バレエを習いたい」と父に言った私に、
「そんな洋風なものはダメだ。日本舞踊ならいい」と父の返事。
ご近所のお師匠さんのところに浴衣をあずけ、
学校帰りに寄って、お稽古・・・、

「でもどうもこれは私のやりたい踊りじゃない」と三回のお稽古で止めました。見事に絵に描いた日坊主でした。
やらせてもらえない代わりに舞台はよく観に行きました。
谷桃子…貝谷八百子…(古いですね)。
森下洋子、清水哲太郎の「コッペリア」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」など
とても楽しみました。
大人になっても好んで観る映画や舞台はクラッシックバレエにこだわらず、

あらゆるジャンルのダンス物。
初めて観た時の驚きは今でも忘れませんモーリス・ベジャール振付の「ボレロ」。
このダンス、若くして亡くなったジョルジュ・ドンのためにあると思えるほど、ドンが神々しく見えました。

繰り返される単調なメロディがベジャールの振付で見事に立ち上がり、

そのラストシーンはいまだに感動的で泣けます。
このボレロ、シルヴィ・ギエムや上野水香ヴァージョンも観ました。
マシュー・ボーン演出の「ザ・カーマン」「白鳥の湖」。
パリオペラ座バレエ、ローラン・プティ演出の「ノートルダム・ド・パリ」。
衣装はイブ・サンローランでした。
首藤康之主演の「スワン」、後に「ボレロ」。
フラメンコのアントニオ・ガディス「カルメン」「血の婚礼」。
ブロードウェイ「42ndストリート」のスペクタクルなタップに

汗飛び散るセヴィアン・グローヴァーのタップダンス。
ピナ・ヴァウシュ振付の砂浜を舞台に野外で踊る「春の作品」。
また、親しい友人上杉満代さんの舞踏公演も毎回楽しく拝見しています。
三日坊主だった日本舞踊も

坂東玉三郎「鷺娘」であらためてその素晴らしさを実感!
三日で止めず続けていれば私がその鷺を。いえいえとんでもない!
訓練された素晴らしい肉体で、ソフィスティケートされた感性が舞う
彼らや彼女たちの躍動に敬意を表します。
好きだったものが今や私の癒しの源です。


PS.
 「ダンスインパリ」と言う素晴らしい映画を観ました。
   満席でしたので広々としたプレミアム席でゆったりと。

大谷

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